昨年の日本GP，マルシャのＪ・ビアンキは頭部に重傷を負って意識不明の重体に陥ったが，ビアンキの父親・フィリップス氏は未だに昏睡状態が続いている現状について次のように語った。

『私達が言える唯一のことは，ジュールは以前から戦っており，アクシデントの後も戦い続けているんだ。毎日，ジュールはマラソンをしているようなものなんだ。医学的な観点からは，彼の容体は安定しているし，体力的にも問題ない。彼の器官は（人工呼吸器などの）援助無しで機能している。しかし，彼は意識を失ったままであり，昏睡状態なんだ。この種の神経的外傷に関しては，我々が知る限りは進展は非常にゆっくりなんだ。四日市で日本の医師団によって即座に手術を受けた当時に聞かされたことと比較して，今は夜と昼くらいの差だよ。我々が日本に着いたときには，母親には如何なる希望もなかったし，予後についてどうにもできないダメージの話もあった。ジュールは若いし，まだ25歳だ。このようなショックを生き延びたから，非常に強いよ。みんなも知っての通り，私はジュールのことをとても誇りに思っているし，常にそうだった。私達は新たな進展を期待しているよ。』

ビアンキはアクシデント直後に三重県内の病院で緊急出術を受けて一命取り留めたが，意識不明のまま目覚めることはなかった。その後，ビアンキは容体も落ち着いたために年末に母国フランスへと搬送され，生まれ故郷で治療が継続されている。

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