ホンダは、F1特集記事「Behind The Scenes Of Honda F1 2021 -ピット裏から見る景色- Vol.17
」を公開した。
「Behind the Scenes」は、ホンダのスタッフやエンジニアが交代で連載するコラム。ふだんメディアに登場することがない裏方のメンバーが登場し、“グランプリの現場”を様々な観点から紹介する。
今回は、レース現場で広報業務を担当するスズキ氏が前回に引き続き登場。スズキ氏はホンダが苦境に立たされていた2017年からF1プロジェクトに加わったが、当時の心境を率直に語っている。
『(マクラーレンと冬の)テスト初日。なんと最初の1周を走行してすぐにパワーユニットの異常を確認。その後は約7時間ガレージに入り、夕方まで出てこないという、今考えても胃が痛くなるような事態になりました。注目のチームがパワーユニットトラブルによりほぼ丸1日出てこないという状態でしたので、当然メディアからの問い合わせが殺到します。僕にとってはこれがサーキット現場デビューの日でしたが、いきなりのトラブル発生で、長谷川さん(当時のF1総責任者)への状況確認や、チーム広報とのトラブルに関する発信内容の整合など、よく分からないままにいきなり火事場に投げ込まれたような形でした。8日間行われたテストでは、その後もトラブルが相次ぎ、そのたびに“ホンダのパワーユニットがまたトラブル”といったニュースがF1メディア上で大きく扱われることになります。』
スズキ氏はマクラーレンとの関係終了後、新たにトロ・ロッソとの仕事を開始して、次のように振り返っている。
『トロ・ロッソはビッグチームではないので、パワーユニットの実力も併せて、レースでは入賞できるかできないかというところを走っており、いい意味でメディアからの注目度は下がっていきました。結果、2018年はチーム全体がメディアに振り回されることなくレースにフォーカスできた1年になりました。今はパートナーが2チームなので少し状況が違いますが、1チームだけだったこの年は、ホンダとトロ・ロッソが本当に“ワンチーム”になっていて、僕にとってはF1チームで仕事をする喜びと醍醐味を感じられたシーズンにもなりました。』
現在、スズキ氏はレッドブル/アルファタウリと連携しながら仕事をしている。昨年秋には“ホンダのF1撤退”を広報する仕事も担当することになったが、現状と今後について次のように語る。
『10月にはホンダのF1参戦終了のアナウンスがなされ、残念ながらそれが広報としては最も大きなニュースになってしまいます。』
『そして、ラストイヤーという現実をかみしめて、強い決意とともに臨んだ今年。途中には5連勝を挙げ、ホンダのF1復帰以降初めてチャンピオンシップをリードするなど、集大成の年にふさわしいパフォーマンスを見せられています。熾烈なタイトル争いを見ていると、“これがチャンピオンシップを獲る厳しさか”とレースごとに思い知らされれます。一方で、どん底からスタートしたプロジェクトの最終年にこういった形になるのは、ストーリーとしてでき過ぎだなとも思ってしまいます。マックスの素晴らしいパフォーマンスなくしてはありえない結果ですが、ホンダとチームのメンバーの執念が形になっているようにも感じます。』
■ホンダ「ピット裏から見る景色 2021 Vol.17」
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